冥界への旅

2004年1月25日
23日に「ヘヴン」を観る。
スレンダーなクール美人ケイト・ブランシェット、頑なさ、純粋さ、その自己中心的な側面、スキンヘッド、逃避行、ストイックで美しい映像…この映画はanorectic(拒食症的)である。

24日は摂食障害者の自助グループのワークショップに招かれ、一泊泊まりで参加した。
私が以前メンバーだった頃は毎週のようにミーティングに出て、誰にでも言えるというわけでもない、聞いてもらえるわけでもない切羽詰ったぎりぎりの話をしたものだが、今となってはそのような場に出てゆくことは冥界に赴くのに似ている。

午後の部で私は自作の詩や家族の話などした。
話をしながら自分が血縁によるつながりをことさら重視する社会を嫌悪していることに気づく。
(ひがみ、でもあるのだろうが)
最近のあるタレントの代理母出産のニュース(「感動実話」?)が出るとチャンネルを変えるのもそのへんにある。
血を分けたからよいのではなく、たまたま出会った他人同士がたましいを分けることによって「家族」をつくるのでよいではないか。

夜のミーティングは自虐的に「性にまつわるテーマ」のグループを選んだ(他にもテーマはあるのにさ)。
現象は違っていてもそれぞれが語る話はおそらく根がつながっているのだろう。
しかしどんなところにも愛や結婚や恋人や婚外ボーイフレンドがあるように思えるのに
私には何ひとつ降りてこない。
病めるときもすこやかなるときも痩せたときも不調のときも安定したときも、
私には手を差し伸べてくれたり見守ってくれる男などいなかった。
私の人生は男抜きで暮らすよう運命が決まっているのだろうか?
このままこの人生をがんばって続けるよりも
リセットしたほうが楽だ、とみずから傷をえぐる。
果たして望み通り自虐的な体験だった。

25日(今日)はうつうつ会があるので早朝に出発する。娑婆のスターバックスでコーヒーとシナモンロールを朝食にする。珍しくおいしいと思った。

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