海辺の洞窟

2004年9月6日
怖れと不安と退屈によって頭に必要でないものが詰まっている気がする。それらを空にするために洞窟を思ってみる。「ムーミン谷の彗星」に出てくるような海辺の洞窟だ。大きめの居間くらいの広さがあり、入口からの光しか得られないので薄暗いが不思議と落ちつく感じがする。床はさらさらした砂で、もたれてみると壁はわたしの背骨や肩甲骨のカーブにしっくりとなじむ。目を閉じて、波頭に白いレースのような泡がたっているところを思う。壁に耳をあてると海の音がする。それは誰か親しい人たちが小さな声でおしゃべりしているのを聴きながらまどろむのに似ていて安心する。わたしがここにいることは誰も知らない。わたしは裸足になって暖かい砂の上に自分の場所をつくる。

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