(だってパンダのいない世界なんてつまらないもの)
2005年5月4日岩合光昭写真展に行った。デパートの展覧会(渋谷・東急本店)だしぃ、混んでいたらささっと帰ろう…などと思っていたらこれが失礼な予想を裏切ってとてもよかったのだっ!ちなみにさほど混んではいませんでした。
岩合氏はナショナル・ジオグラフィック誌で特集が組まれるなど世界的に有名な動物写真家。どの写真もまさに「かけがえのない」瞬間をとらえたものばかり。瞬間のとらえ方も、現実を単に切り取るだけでなく、その瞬間に流れこむさまざまな要素を取捨し凝縮して見せているように感じられる。対象の動物というか、動物を含めた環境に対して信頼だのリスペクトだの含めて「なじんで」いないと、このような濃密な瞬間には出会えないのではないだろうか。
写真の感動を言葉にするのはむずかしい。たとえば一目見て「かわいい」と思った写真をじっと見ていると、動物が「なんだよお(怒)」と言っているように見えてくるとか(エゾリス)。動物は何かをアピールしていたり説明したりしているわけではないのに、たたずまいだけで何ともいえずに微妙なあれやこれやが伝わってくるなと思うけれど、それができるのはカメラを構えている人が、テクニックだけでなく感性だとか人間性で動かされる「作家」だからなんでしょう(私が言うのもすごくおこがましいが)。
この写真展では写真に伴うテキストも写真と同じ位の存在感があり、それらの文章(ブラッドリー・トレバー・グリーヴ)もとてもいい。「ネコ科のフェラーリ」(チータ)だとか、「内気な幽霊」(マレーバク)だとか…絶妙な表現。「動物たちは自己の立場を主張したりしない。ケンカをふっかけることもない。救済を求めることもない。さよならも言わない。大声をあげることもない。だまって消えてゆくだけだ」(「PRICELESS 地球の宝石」B.T.グリーヴ/文 岩合光昭/写真 竹書房 ブルーデイブックシリーズ第4集より)というくだりでは、悲しくなってしまった。写真を見てうるうるするのは初めてだ。
この写真展は説得したり叫んだりせずとも、初めは大げさとも感じられた「PRICELESS 地球の宝石」というこの写真展のタイトルが表わすメッセージが、見る人の心に素直に落ちるようになっている。少なくとも私はそうだ。見終わる頃にはすっかりエコな私になっており、WWFジャパンのパンフレットをもらって帰った。同時開催で岩合氏の「ちょっとネコぼけ」出版記念写真展も開かれており、こちらも世界中のネコたちのユーモラスな瞬間に出会えて楽しい。お勧めです。
※日記タイトルは前掲書の「PRICELESS 地球の宝石」にも収められている、ジャイアントパンダの写真テキストより。
※HP「Digital Iwago」 http://www.digitaliwago.com
岩合氏はナショナル・ジオグラフィック誌で特集が組まれるなど世界的に有名な動物写真家。どの写真もまさに「かけがえのない」瞬間をとらえたものばかり。瞬間のとらえ方も、現実を単に切り取るだけでなく、その瞬間に流れこむさまざまな要素を取捨し凝縮して見せているように感じられる。対象の動物というか、動物を含めた環境に対して信頼だのリスペクトだの含めて「なじんで」いないと、このような濃密な瞬間には出会えないのではないだろうか。
写真の感動を言葉にするのはむずかしい。たとえば一目見て「かわいい」と思った写真をじっと見ていると、動物が「なんだよお(怒)」と言っているように見えてくるとか(エゾリス)。動物は何かをアピールしていたり説明したりしているわけではないのに、たたずまいだけで何ともいえずに微妙なあれやこれやが伝わってくるなと思うけれど、それができるのはカメラを構えている人が、テクニックだけでなく感性だとか人間性で動かされる「作家」だからなんでしょう(私が言うのもすごくおこがましいが)。
この写真展では写真に伴うテキストも写真と同じ位の存在感があり、それらの文章(ブラッドリー・トレバー・グリーヴ)もとてもいい。「ネコ科のフェラーリ」(チータ)だとか、「内気な幽霊」(マレーバク)だとか…絶妙な表現。「動物たちは自己の立場を主張したりしない。ケンカをふっかけることもない。救済を求めることもない。さよならも言わない。大声をあげることもない。だまって消えてゆくだけだ」(「PRICELESS 地球の宝石」B.T.グリーヴ/文 岩合光昭/写真 竹書房 ブルーデイブックシリーズ第4集より)というくだりでは、悲しくなってしまった。写真を見てうるうるするのは初めてだ。
この写真展は説得したり叫んだりせずとも、初めは大げさとも感じられた「PRICELESS 地球の宝石」というこの写真展のタイトルが表わすメッセージが、見る人の心に素直に落ちるようになっている。少なくとも私はそうだ。見終わる頃にはすっかりエコな私になっており、WWFジャパンのパンフレットをもらって帰った。同時開催で岩合氏の「ちょっとネコぼけ」出版記念写真展も開かれており、こちらも世界中のネコたちのユーモラスな瞬間に出会えて楽しい。お勧めです。
※日記タイトルは前掲書の「PRICELESS 地球の宝石」にも収められている、ジャイアントパンダの写真テキストより。
※HP「Digital Iwago」 http://www.digitaliwago.com
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