「ワダエミの衣装世界」
2005年12月15日映画、舞台等の衣装デザインで世界的に有名なワダエミの作品展を観た(梅窓院・祖師堂ホール<外苑前>;12月25日まで)。今日まで特別に夜間も開館とのことで、会社帰りに寄ってみた。
「Lovers」(チャン・イーモウ監督)を観たとき、鮮やかな色づかいに圧倒され、私もきれいなグリーンを「これでもか!」と着まくりたくなった。印象的なその衣装は「飛刀門」(…という反政府組織。こんな制服?が支給されるなら私も入りたい)のもので、ここにも展示されていたのでじっくりと観る。やっぱり素敵。「Lovers」「Hero」の衣装は目を奪われるものばかり、色の饗宴にうっとりする。チャン・ツィイーが演じた「小妹の」衣装は踊りのシーンのシルクに刺繍がほどこされた豪華なものばかりか、囚人服ですらカワイイ。女の服も男の服も凛として、しかも色気がある。すっきりとしていながらも深みのある、きれいな色に囲まれていると「ぼやけたくすんだ色はもう着たくないなー」とつくづく思う。
舞台「浪人街」(これらの衣装は触れることができる)の、紫にピンクの裏地、帯も艶やかな紫の着物(田中美里演じる「千鶴」役のもの)はなまめかしくて良くて、松たか子が演じたお新の白・黒に花柄というありえない組合せもこれまた斬新でキュートだ。
と、どれもこれも魅力的なのだが、会場で流されている、実際にそれらが使われた映画や舞台の映像を観ると、これらは誰もが似合うわけではない、着る人を選ぶ「衣装」なのだと気づく。そんじょそこらの人が着たらこれらの衣装の強さにきっと負けてしまう。「人目にさらす」ことに耐える(美醜ということでなく)存在感をもった身体の持ち主でないと、こういうインパクトの強い衣装を生かしきって動かすことができないだろう。ああ役者さんってすごい…と思ったのでした。
場内では16分の「メイキング映像」の上映もあった。「Hero」などの衣装は「生地を染めて色を出す」ところから始めているのだって。ありものを使うんじゃないんですね、さすが。中国の水質の違いのためイメージに合う赤が出ず、ミネラルウォーターを大量に使って染め直したのだとか、「創作現場の裏側」をかいま見ることができて面白い。来年公開予定という韓国映画「中天」の衣装合わせのシーンもちらっとあるが、これも楽しみな感じ。会場スタッフの方によると、ワダエミさんはとても仕事の早い方なのだとか。すぐイメージを絵に起こされるのだそう。
これまでワダエミさんが授賞したトロフィーがなんぞげに飾ってあるのが面白かった。(ガラスをはさんで)こんな至近距離であのオスカー像を目にできるなんて、わたしゃこれが最初で最後でしょう(キッパリ)。他、エミー賞に香港アカデミー賞なんてごろ、ごろ、ごろ、と3個もあったよ! 会場では特製スカーフなども販売していたそうですが残念ながら売り切れ、私は図録と「Lovers」ポストカードセットを買った。
どんなジャンルのものでも、ていねいにつくられたものに触れると豊かな気持ちになる。目にごちそうであるばかりでなく、今日は人の手でつくりこまれたものの贅沢を久しぶりにじっくり味わって、思いがけず福をもらって帰りました。
「ワダエミの衣装世界」http://www.ints.co.jp/wada/index.htm
(会期中ですが、電話予約して行ったら前売り料金で入場できたうえ、「Hero」でマギー・チャンが着たという美しい「エミ・ブルー」のちっちゃいシルクはぎれを特典で頂きました。欲しい方は早めが吉です。詳しくは上記HPにて)
「Lovers」(チャン・イーモウ監督)を観たとき、鮮やかな色づかいに圧倒され、私もきれいなグリーンを「これでもか!」と着まくりたくなった。印象的なその衣装は「飛刀門」(…という反政府組織。こんな制服?が支給されるなら私も入りたい)のもので、ここにも展示されていたのでじっくりと観る。やっぱり素敵。「Lovers」「Hero」の衣装は目を奪われるものばかり、色の饗宴にうっとりする。チャン・ツィイーが演じた「小妹の」衣装は踊りのシーンのシルクに刺繍がほどこされた豪華なものばかりか、囚人服ですらカワイイ。女の服も男の服も凛として、しかも色気がある。すっきりとしていながらも深みのある、きれいな色に囲まれていると「ぼやけたくすんだ色はもう着たくないなー」とつくづく思う。
舞台「浪人街」(これらの衣装は触れることができる)の、紫にピンクの裏地、帯も艶やかな紫の着物(田中美里演じる「千鶴」役のもの)はなまめかしくて良くて、松たか子が演じたお新の白・黒に花柄というありえない組合せもこれまた斬新でキュートだ。
と、どれもこれも魅力的なのだが、会場で流されている、実際にそれらが使われた映画や舞台の映像を観ると、これらは誰もが似合うわけではない、着る人を選ぶ「衣装」なのだと気づく。そんじょそこらの人が着たらこれらの衣装の強さにきっと負けてしまう。「人目にさらす」ことに耐える(美醜ということでなく)存在感をもった身体の持ち主でないと、こういうインパクトの強い衣装を生かしきって動かすことができないだろう。ああ役者さんってすごい…と思ったのでした。
場内では16分の「メイキング映像」の上映もあった。「Hero」などの衣装は「生地を染めて色を出す」ところから始めているのだって。ありものを使うんじゃないんですね、さすが。中国の水質の違いのためイメージに合う赤が出ず、ミネラルウォーターを大量に使って染め直したのだとか、「創作現場の裏側」をかいま見ることができて面白い。来年公開予定という韓国映画「中天」の衣装合わせのシーンもちらっとあるが、これも楽しみな感じ。会場スタッフの方によると、ワダエミさんはとても仕事の早い方なのだとか。すぐイメージを絵に起こされるのだそう。
これまでワダエミさんが授賞したトロフィーがなんぞげに飾ってあるのが面白かった。(ガラスをはさんで)こんな至近距離であのオスカー像を目にできるなんて、わたしゃこれが最初で最後でしょう(キッパリ)。他、エミー賞に香港アカデミー賞なんてごろ、ごろ、ごろ、と3個もあったよ! 会場では特製スカーフなども販売していたそうですが残念ながら売り切れ、私は図録と「Lovers」ポストカードセットを買った。
どんなジャンルのものでも、ていねいにつくられたものに触れると豊かな気持ちになる。目にごちそうであるばかりでなく、今日は人の手でつくりこまれたものの贅沢を久しぶりにじっくり味わって、思いがけず福をもらって帰りました。
「ワダエミの衣装世界」http://www.ints.co.jp/wada/index.htm
(会期中ですが、電話予約して行ったら前売り料金で入場できたうえ、「Hero」でマギー・チャンが着たという美しい「エミ・ブルー」のちっちゃいシルクはぎれを特典で頂きました。欲しい方は早めが吉です。詳しくは上記HPにて)
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