セッションハウスで観る。大入り満員。いい感じにクールな映像とダンスの組合せが効果的、無機質デコラティブな衣装も素敵。ドイツ語をしゃべっていた村雲敦子さんは本当に在ドイツの方なのね。彼女の踊りももっと観たかった。全体にしみじみ良かったです。でも「がつん」とは来ない。なんでだろうか。

ダンサーの存在感について観ながら考えていた。ダンスのあとに上映されたフィルム「ERIKA Flashback」は、この5月に病気でたいそう惜しまれながらも、(私と同い年で)急逝された野和田恵里花さんを偲んだ作品。生でない映像でも力のある姿に引き込まれる。彼女は観ずにいられないようなダンサー。舞台でなんどか拝見して、いちどだけレッスンに出たことがある。「背筋を柔らかく、オムレツのような筋肉に〜」とおっしゃってたのがずっと印象的で覚えている(こういうちっちゃいことをとりわけ覚えているという自分もなんですが)。本当に惜しまれます。冥福をお祈りします、と言うべきなんだろうけれど、ダンサーは「お休み」するより、生まれ変わって次に踊るチャンスを待っているような気もします。

身体の可能性を探るって素晴らしい。どこまでもどこまでも、終わりがなくて、おもしろい。身ひとつでできるし、フェアな土壌だし。自分も自分なりに、精度があがるように、幅が広がるようにちくちくやっているつもりで、誰かに言われたわけでもなく好きでやってるんだけど、踊りが仕事ではなく、趣味っていうか―こっぱずかしい言い方だけど―「ライフワーク」にとどまっている身としては、こういうことしててどこかにつながるんだろうか、世界を広げていけるんだろうかとしごく不安だったり虚しくなったりもする。

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