「告白」

2010年6月15日 読書
湊かなえ作のミステリ。本屋大賞1位、「ミステリーベスト10(’08)」など受賞。

「映画化を待ってる本」読んでまず思いました。いい意味でなく、「言葉だけで完成してない」印象が強いということ。映画観てないけど、映像のクリエイターの手が入ったほうが、作品として満たされる気がする。

壊れている人、壊れゆく過程の描写がはっきり言って上手くない。「歪んだ関係の親子」という設定を「説明」しているだけ、な感じ。せっかくほとんどの登場人物が外れちゃってる人たちなのに、その書き方が平板なために起こるエピソードが利いてない。もっと書き分けることはできるのでは(でなけりゃあえてわざとデジタルにぺたっとさせるとか)。作者の関心はそこにないんだろうか。


《以下ネタバレあり》


アマゾン書評の「第一章が秀逸」というコメント、私もそう思う。そこで止めておいたほうが冴えた短編になってたかも。破壊力抜群のラストはいいと思うが、あるレビュアーが「牛乳に血液入れたり爆弾移動させたり、冷静なわりには先生の復讐が幼稚過ぎる気がする」と書いていたのには笑ってしまった。その通りだわ。

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