「ダンスが見たい!12」(柴崎正道「ウィトゲンシュタインの落とし穴」/JOU「MIZOU」)

ダンスって何を見せているのか?
何を見せれば(よい意味で)「見せ物」になるのか、いつも考える。

今日、観ていて「時間」だと思った。私たちはこの人のつくる「時間」を観ているのだと思った。

この人を観たのはもう15年以上前かもしれない。私がコンテンポラリー・ダンスについてほとんど何も知らなかった頃、知人の勧めで確か場所はここだったと思うけど、あまりに鮮烈だったので今でもよく覚えている。

最初のシーンで椅子に座り、前を見据えていたんだけど、カットインで明かりがついて、微動だにしないその姿に空間までかっと凍りついていたように見え、すごく驚いた。忘れられない。

今日の作品は、若造がするようないわゆる大技はないんだけど、繊細で不思議な質感の動きの連続に見入ってしまう。やっぱり空間も連れて、コミで動いているとことか、こういうintricateな動きは身体のコントロールがスーパー利いてる人でないとできない(見せるものにならない)。

45分、飽きなかった。30分でもつまんないときはつまんないし、観客の忍耐試されるのかな、なーんて思ってたけど全然。ひきこまれてあっという間に終わってた。

うちの先生、比類なく日本一と私は思ってるけど、この方も凄い。それでいてなんか「つーん」としてるんじゃないんだよね。ブラボーもんですよ。WELCOME BACK!

思ったTIPS:
*この前つくってたときも思ったけど、やっぱり「動きゃいいってもんじゃない」。
コントロールされた時間のなかなのだから、自分で何やってるのかわかって動くこと。

*自分のなかでつながっていること。

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JOUさんもなかなかよかった。長い手足、ハリガネのような身体に小さなお顔。身体だけで面白いというかうつくしいのだし、もっとやらなくていいんじゃないか、と思ったりもする(これよくダンス観てて思うことだけど)。

音(ノイズや駅アナウンス)の使い方素敵。でんぐり返り一周して、はけてまた戻ってくるやつラブリー。最後に映像(8ミリ?)の前で動くところ、なまめかしくてよかった。

終日ハイチで3日目ほとほと気が滅入ってたまらなかったのだが(てか夏越えて秋先までほぼ在ハイチでどうするよ?もうほんと「無理」って思ったあの雰囲気)、すっとした。アフタートークもついて、良心的なお値段(前売り2300yen)。優良企画です。

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