主演・演出:野村萬斎 原作:W・シェークスピア「リチャード三世」

「翻訳はしたけど、ローカライズしてない」みたいな違和感が続く。「これって日本人のメンタリティーだろうか?」とか「シェークスピア劇の舞台を日本に置き換えるとこうなるのか?」という疑問が前半は離れず。が、後半、舞台の十字架を見て思いきる。ここに「日本」を求めるのは違うんだろう。

「みども…」とか言ってるけど、日本じゃない。ここは日本と西洋のどこか中間にある国、と思うことにしたらおさまりがついた。きっとどこかあいだにある異界なのだ…衣装コシノジュンコだし(このセンス、私は苦手。ワダエミとかのほうがよかったんですが)。

悪三郎(萬斎)とその影、という設定は原作にあったんだっけ? 前半でとどめを刺すのが影のほうだったのに対し、後半では自ら手をくだしている。ふむ。最後のほうで二者が寄っていたので「乖離した自我が戻ってきたから」とか性懲りもなくアルター・エゴ説にとりつかれていたら、じゃなくて馬に乗ってたんですね(笑)。主人が死ぬとともに事切れるのかと思ったら、帳尻を合わせずにしばらくして暗がりに消えていったのがかえって印象的だった。

終盤近く、背景に明るい白の照明があたるところ(専門用語がわからない)、それまでこもり気味だった舞台が開けてはっとする。きれいな場面。初演より特に後半、戦いのあたりがすっきりしてぐっと観やすくなったと思う。面白かったです。会社帰りにエンタメがあると嬉しく楽しいね。まだ月曜。

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